菌×タンパク質=熟成肉
従来の熟成肉は、自然浮遊している胞子(菌の卵のようなもの)が肉に付着して、それが毛カビへと成長します。その過程で、熟成肉の特徴である、ナッツのような熟成香や脂身の融点が低くなり口溶けが良くなり、とても柔らかくなったりします。
空気中には胞子というカビや様々な菌の卵のようなものが浮遊しています。
身近な経験の一つとして例を挙げてみます。
夏の蒸し暑い時にパンに青カビが生えてしまうという経験があったかと思います。
梅雨の湿度が高い時期にパンなどに付着すると、青カビの胞子が発芽し菌糸という糸状の細胞を伸ばして成長します。
その栄養源になるのがパンのタンパク質と水です。
「水+タンパク質+温度」の条件が整うことで、胞子が成長できるということなんです。どれか一つでも欠けてしまうと成長ができません。
熟成肉も同じように、熟成するための菌が成長しやすい環境を整えます。
1.湿度 80%
2.温度 4℃
3.風
この条件を安定的に作れる冷蔵庫、それが熟成庫になります。
しかし、その熟成庫に肉を入れるだけでは熟成肉は出来づらいんです。
単に乾燥した肉になるか、腐敗してしまいます。
重要なのは熟成するための菌を増やすこと!
その菌は空気中に自然浮遊しています。もちろんその熟成させるための菌だけが存在している訳ではありません。無数の菌が浮遊しています。その中には、食中毒を引き起こす菌なども含まれます。ですので、肉にそれらの菌が付着する可能性はかなり高い確率であり得るのです。
ですので、熟成ではなく腐敗してしまう事も十分考えられます。それを腐敗菌をブロックし発酵菌をより多く付着させないと出来ないのが熟成肉なんです。
これは家庭では簡単に出来ませんね。
では、その熟成肉を作るために設備を整えた後、どのように仕上げていかないとならないのか、次回説明していきましょう。
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